この記事ではバンパーが外れた(外れかけている)時に応急処置で簡単にはめることができるのかについて解説していきます。
「ボーッとしていた」
「違うことを考えていた」
気が散漫している時にうっかり車をぶつけてしまうことって誰にでもありますよね?
ぶつけてしまってから我に返り、
「うわー、やっちゃったよ」
と反省した時にはすでに遅し。
バンパーが外れて横に広がりなんとか元の状態に戻せないか考えてしまうのは皆同じです。
そこでこの記事では、
・バンパーが外れた、外れかけている時にできる応急処置
・応急処置ができるできないの見極めポイント
・ぶつけて外れたバンパーの修理費用
・バンパーはぶつけるとなぜ外れてしまうのか
を中心に解説していきますので最後までお読み頂ければと思います。
バンパーが外れた(外れかけた)時の対処法
バンパーをぶつけてしまっているのでバンパーの側面は浮き上がるか外れかける、または完全に外れて横に広がっているはずです。
そのため、修理をしなければ綺麗にはならないのですが損傷によってはその場で応急処置ができることもあります。
応急処置できる状態、できない状態別に解説していきますね。
応急処置ができる状態
応急処置ができる状態か、できない状態かを見極めるポイントはボディにまで影響を及ぼしているか否かです。
例えば、バックで駐車中に下がりすぎてコツンと当ててしまう場合などですね。
おそらくこの程度であればバンパーの外観も大きく変形していないはずです。
この場合はバンパー側面が横に膨らんでいるか、外れていると思うのでバンパーを手で押し込むようにバンパーサイドリテーナー(以下リテーナー)というフェンダーに取り付けられた受けの爪へ上手くはめ込んでみましょう。
リテーナーの爪が割れている場合、はめ込んでもすぐに浮いてきて上手くはめらないかもしれません。
その場合、バンパーを押し込んだ状態からガムテープや養生テープなどで止めてやると動かなくなるはずです。
しかし、応急処置はあくまで応急処置。
ボディにまで影響があるかないかの判断はプロでなければ難しいのでバンパーが上手くはまったからといって安心せず、その足で修理工場へ向かい他に影響がないか確認してもらうようにしましょう。
応急処置ができない状態
重度の損傷の場合は応急処置で対応できません。
重度とはバンパーの外観が大きく変形していて明らかにボディにまで損傷が及んでいる場合です。
ただし、バンパーの変形はあくまで目安でしかありません。
なぜなら、バンパーは樹脂素材のため一度衝撃を受けて変形しても元の形に戻ってしまうこともあるからです。
一旦、手ではめ込んでみてはまらない、テープで止めてもすぐに浮いて剥がれてくるようであればボディに損傷を及ぼしている可能性が高いです。
フロント部ではラジエーターなどにまで損傷が及んでいることもあるので無理にはめようとはせずレッカーを手配してすぐに修理工場で確認してもらうようにしましょう。
バンパーが外れた(外れかけた)時の修理代
バンパーが外れた、外れかけの時の修理代はバンパーの状態によって違います。
修理可能か、交換になるかはその状態によって変わりますので修理で対応できるケースと交換しなければいけないケースに分けて解説していきます。
損傷が軽度で修理可能なケース
バンパーが変形しているものの、裂けや割れがなければ修理は可能です。
バンパーが修理できるか、交換になるかについて様々なことを言われていますが、目安は裂けや割れがないかです。
バンパーは樹脂素材のため大きく変形していたとしても裂けや割れがなければ実は修理可能なんですね。
ちなみに保険修理の場合、保険会社が100%交換を認めてくれる状態というのも取り付け部がちぎれているか否かです。
バンパー補修修理 | 工賃(バンパー脱着費用) |
10,000円〜35,000円 | 5,000円〜15,000円 |
変形はそのままで、単純に外れたバンパーをはめるだけであれば修理工場によって無料で対応してくれます。
損傷が重度で交換になるケース
バンパー左右の取り付け部が裂けているような場合は交換せざるおえません。
また、バンパー左右の取り付け部が裂けるほどの衝撃であればバンパーの受けとなるリテーナーも割れていますし、ボディやその他の部品も損傷しているはずです。
ボディの修正やその他部品の交換も必要ですが、損傷度合いによって修理代も大きく変わるのでバンパー交換のみの金額を記載します。
フロントバンパー | リアバンパー | 工賃(脱着費用) |
35,000円〜100,000円 | 30,000円〜70,000円 | 5,000円〜15,000円 |
新品バンパーの料金です。
新品バンパーはボディカラーが塗装された状態で部品供給される物もあれば、未塗装でしか部品供給されていない物もあります。
塗装済み、未塗装問わず上記の金額の範囲に収まるかと思います。(一部の外車や特殊車両は除く)
バンパー交換を安くするために中古バンパー(リサイクル部品)を利用するというのも1つの策です。
しかし、程度の良い中古バンパーは新品に近い金額であったり、中古市場に出回っていないことも多いです。
また、バンパーは割れ、裂けがない限り修理できるということはすでに解説した通りですが、新品価格が安価なバンパーであれば修理と交換を比較して金額がほとんど変わらなくなることもあります。
修理すれば修理跡は残りますので、金額に大差なければ交換するようにしましょう。
保険修理と自費修理はどっちがお得?
車両保険に加入していれば保険で修理しようかなと思うかもしれませんが、バンパーの修理や交換程度で保険を使うのはあまり賢い選択とはいえません。
大衆車のバンパー修理、交換だけで10万円を超えることは稀です。
仮に最も高い等級であっても翌年から3年間は事故あり係数が適用されるのでバンパーの修理、交換をする以上に保険代が高くなります。
もし、翌年以降の保険料にどれだけ差が出るのか気になるようであれば、加入している保険会社に電話して確認しましょう。
バンパーが外れる(外れかける)理由
バンパーをぶつけると簡単に外れてしまう理由はバンパーの素材と取り付け方法にあります。
『ドアはぶつけても外れないのにバンパーはぶつけると外れるけどなんでだろう?』
不思議に思ったことはありませんか?
なぜなら、現代の車のバンパーはそのほとんどが驚くほど簡素に取り付けられているからです。
材質 | 取付方法 | |
バンパー | 樹脂(PP材) | はめ込み式(クリップ等あり) |
ドア | 鉄 | ボルト止め |
ドアは鉄製の厚みのあるドアヒンジでボディにボルトでしっかり固定されています。
一方でバンパーは衝突時の衝撃を吸収するため柔らかい樹脂素材で作られています。
さらにバンパーの取り付け方法はフロント、リアともにクリップやビス、ボルトが中心でバンパーの側面にいたってはフェンダーに取り付けられたプラスチック製の『バンパーサイドリテーナー』という部品が受けとなりはめ込まれているだけです。
一方向から受けた衝撃は必ずどこかに影響を与えるのはわかりますか?
バンパーの場合、正面から受けた衝撃で横に広がる力が働き、はめ込まれているだけのバンパー側面(フェンダーとの境目)は浮いて外れてしまうわけです。
ダンボールなどの箱状の物を上から押すと横面が膨らんでくると言えばイメージしやすいかもしれません。
通常、衝撃があってもリテーナーから外れてバンパーが浮くことはあるものの、クリップやビスで固定されているので完全にはみ出ることはありません。
しかし、衝撃が強すぎるとクリップが割れたり、ビスで固定されている箇所(バンパー側)が裂けてちぎれてしまい、完全に横へはみ出し外れてしまうのです。
裂けてちぎれるのはバンパーが柔らかい樹脂素材だからこそで、ドアが同じような衝撃を受けてもドアの取り付け部は非常に厚みのある鉄なのでちぎれて外れることなどまずありません。
バンパーが外れかけでの走行は要注意!
バンパーが外れかけでぶらぶらしているからといってバンパーを完全に取り外してしまうのはいけません。
また、外れかけの状態というのも走行中、何かに引っ掛ける可能性があるのでこの状態も危険です。
もしかしたら、タイヤに巻き込む可能性もありますし、なにより歩行者に当ててしまうかもしれませんよね?
ですので、紹介した応急処置で対応するか無理ならレッカーを手配しましょう。
外れかけのバンパーは車検に影響することも
バンパーを完全に取り外してしまうことはもちろん、外れかけでボディからはみ出している状態というのも車検に受からない可能性があります。
保安基準ではボディから左右合計で2cm以上のはみ出しはNGとされています。
左右合計なので例えば左が1cmはみ出しているのなら右は1cm以内ですね。
つまり、この範囲に収まるようにはめ込むかテープで止める、もしくは修理・交換しなければ車検には受からないということです。
まとめ
応急処置できるか否かは損傷の度合いに左右されます。
仮に損傷が軽度で応急処置で対応できたとしても実はボディにまで影響を及ぼしていたということも珍しくありません。
応急処置できた、できないに関わらず必ず一度はプロの判断を仰いで下さい。
結局のところぶつけてバンパーが外れる大元の原因は注意散漫です。
車に乗りハンドルを握っている時間はできるだけ集中するようにしましょう。