この記事は、スズキ車のエアコンが効かない時に確認すべきことについて解説します。
スズキ車のエアコンには、弱点があるのですがご存知ですか?
ある部品が腐食して中のエアコンガスが漏れてしまうという症状です。
実はこの症状、メーカー保証期間の3年を過ぎていても無償で修理してもらえることもあります。
そこでこの記事では、次のことをご紹介します。
- ご自身の車がスズキ車でエアコンが効かない時に疑うべき箇所
- 自分の車が無償修理の対象車なのか
- 無償修理をしてもらえる条件
- 無償修理の対象車ではなかった時の修理代
ぜひ、最後までお読みください。
スズキ車定番!エバポレーターからのガス漏れ
スズキ車は他メーカーと比較して、エアコンシステムが非常に弱いという特徴があります。
中でも取り込んだ空気を冷やす役割をする「エバポレーター」という装置からエアコンガスが漏れてしまう症状。
この症状ですが、スズキ定番の故障ともいわれています。
夏場に修理工場へ持ち込まれるスズキ車のエアコン修理の中でも、エバポレーターからのエアコンガス漏れは非常に多く、
「スズキ車のエアコンのガス漏れはまずここを見ろ」
と先輩メカニックから教えられるほどです。
エバポレーターからのガス漏れであれば無償修理になることも
厄介なエバポレーターからのエアコンガス漏れですが実はスズキも欠陥を認めています。
そのため、通常3年6万kmのメーカー保証をガス漏れの原因がエバポレーターの場合に限って7年、もしくは9年まで延長して無償修理で対応してくれます。
ただし、全ての車種ではありません。
エバポレーターからのガス漏れでも無償修理対象車とそうでない場合とあるので喜ぶのはまだお待ちください。
メーカーホームページで対象車の確認をする
スズキ車のすべてではないですが、対象車は非常に多いのでご自身の車がスズキ車でエアコンが効かない場合は延長保証の対象車なのかを確認しましょう。
- メンテナンスノートを用意する
- 車検証を用意する
- 車体番号を確認する
- 初年度登録月を確認する
- メーカーホームページにアクセスして保証期間延長のページを開く
- 延長保証の対象車か確認する
- 注意書きを確認する
- 初年度登録月から7年、9年以内か確認する
少々難しいかもしれないので細かく解説します。
メンテナンスノートを用意する
まずは、メンテナンスノートを用意してください。
「なんだそれ?」
と思ったかもしれませんが多くの場合、車検証の中に入っているはずです。
中古車で購入している場合、メンテナンスノートがないこともありますのでまず、メンテナンスノートの有無を確認してください。
メンテナンスノートが必要な理由は保証書が一体になっているからです。
無償修理はメーカー保証が延長されたものなのでメンテナンスノートがなければこの恩恵を受けられません。
保証を受けるためには保証書が必須というのは車に限らず言えることなので。
車検証を用意する
メンテナンスノートの確認ができたら次に車検証を用意してください。
車体番号を確認する
延長保証に限らず、リコールやサービスキャンペーンは車体番号ごとに発表されるので車検証に記載された車体番号を確認してください。
初年度登録月を確認する
次に初年度登録月を確認します。
初年度登録月を確認する理由は延長保証とはいえ、期限が決められているからです。
通常、スズキ車のエアコンのメーカー保証期間は3年6万kmです。
このエバポレーターに関してはメーカーが不具合を認めているため7年、もしくは9年までに延長されています。
保証が延長されているとはいえ、最長の車で9年です。
9年を超えている場合は無償修理の対象から外れてしまうので初年度登録月を確認する必要があるのです。
メーカーホームページにアクセスする
次にメーカーホームページにアクセスしてください。
ワゴンR、アルト エコ、スペーシア エアコンのエバポレータの保証期間延長について(2015年12月18日)
ワゴンR、アルトラパン、パレット エアコンのエバポレータの保証期間延長について(2015年12月18日)
延長保証の対象車か確認する
車種名と車体番号を照らし合わせてください。
注意書きを確認する
ページ下部に小さく注意書きが記載されているのでこちらも合わせて確認しておきましょう。
初年度登録月から7年、9年以内か確認する
延長保証の対象車でメンテナンスノートの準備もOK。
最後に初年度登録月から7年、9年以内か確認しましょう。
7年か9年かは対象車によって違いますがこちらも同ページで確認できます。
エアコンの効かないスズキ車は、ディーラー点検が無難
スズキ車のエアコンの効かないトラブルは、ディーラーで点検してもらうのがベストな選択です。
なぜなら、エアコンの効かない原因がエバポレーターからのガス漏れで延長保証による無償修理で対応してもらえるとはいえ基本はディーラーでの作業になるからです。
スズキから委託されている修理業者もありますが、ディーラーに入庫させるのが基本です。
予約も必須ですし、シーズンになると予約1ヶ月待ちも珍しくありません。
また、延長保証で無償修理するためには、確実にエバポレーターからガスが漏れていることを確認できなければ有償修理になるので待つだけ無駄になってしまいます。
一旦、別の修理工場を挟むよりも直接ディーラーへ持ち込んだ方が最短で段取りよく修理できます。
だからこそ、エアコンが効かない時点でスズキディーラーにて原因を特定させることがベストな選択です。。
補足をお伝えしておきますが、
延長保証対象車でもディーラー、もしくはディーラーが直接委託している修理業者以外の修理工場で修理をした場合、後日支払済の修理代が返金されるということはないのでご注意ください。
延長保証対象車でない場合のエバポレーター交換費用
車体番号は対象車になっているものの7年、9年を超えている場合や対象車でもメンテナンスノートがなければ残念ながら有償修理です。
エアコンのガス漏れは場合によって、ごまかしながら使い続けることもできます。
例えば、エアコンが効かなくなり一度エアコンガスの補充をして、そこから数年漏れてこない。
もしくは、1年に1度だけ補充をしていれば問題ないなどですね。
しかし、スズキ車のエバポレーターからのガス漏れはガスだけを補充しても1週間〜1ヶ月ほどでまたすぐにガスが抜けてしまいます。
つまり、その車を乗り続けてエアコンも正常に使用したいのであればエバポレーターの交換は必須になるということです。
エバポレーターを実費で交換するためにはいくら必要なのか紹介します。
エバポレーター | エアコンガス | 工賃 |
20,000円 | 3,000円 | 35,000円〜45,000円 |
修理工場によって多少差が出ます。
エバポレーターの交換は室内のダッシュボードを外し、ヒーターケースを分解しなければいけない手間のかかる作業なので特に工賃が高額になります。
そして、エバポレーター交換の厄介な点は中古部品を利用しても修理金額に大差がないことです。
高額になる修理の場合、中古部品を利用して修理すれば安くおさえられるのですがエバポレーターの部品代だけに目を向ければ実は言うほど高くありません。
ですので、エバポレーター交換費用は修理工場による工賃の違い以外ほぼ同額になります。
エバポレーターのガス漏れ以外でよくあるスズキ車のエアコン修理
スズキ車はエバポレーターのガス漏れ以外もエアコン関係は弱く、比較的よく見られる故障というものがあります。
コンプレッサー不良
コンプレッサーとは圧縮装置です。
「コンプレッサーも延長保証になっていいいのでは?」
と思うくらいスズキ車はよく壊れます。
コンプレッサー | 工賃 | 診断料 |
50,000円〜70,000円 | 8,000円〜12,000円 | 0円〜5,000円 |
使う部品にもよりますがエバポレーターと同じく高額になる修理です。
ただ、エバポレーターとは違い中古部品やリビルド品を利用することで安く抑えることもできます。
エアコンリレーの接点不良
エアコンリレーの接点不良もよくある故障ですね。
エアコンリレー | 診断料 |
2,000円 | 0円〜5,000円 |
診断料が無料の修理工場では3000円以内に収まるのでエアコン故障の中でも安く修理できます。
まとめ
最後に延長保証の確認手順をもう一度まとめておきます。
- メンテナンスノートと車検証を用意する
- 車体番号と初年度登録月を確認する
- メーカーホームページのエバポレーターに関する延長保証に関するページを開く
- 延長保証対象車か確認する
エアコンの修理は高額になりがちです。
ご自身の車がスズキ車でエアコンが効かなくなったのなら、まず延長保証対象車なのか確認するようにしましょう。
対象車であったのなら最短で修理するためにもディーラーで点検してもらうようにしてください。