本記事では車を発進させた時や走行している時に変な音がする場合、どんな原因が考えられるのかを場所と音から探り詳しく解説していきます。
中にはすぐに修理が必要な音もありますので是非最後までお読みください。
車の発進時に変な音がする場合、考えられる原因
まずは車の発進時に変な音がする場合に考えられる原因についてを表にまとめましたのでご覧ください。
緊急性に関しては、ただちに走行に支障がでる可能性が高いかどうかで「大」「中」「小」の3段階評価をしています。
ただし、緊急性が小のものでも長年放置するのは大変危険ですので、早目の修理を検討してくださいね。
エンジンルームから音がする場合の原因と緊急性
原因 | 緊急性 | |
キュルキュル音 | ファンベルトやACベルトの摩耗 | 中 |
ガラガラ音 | エンジンオイルの消費 | 大 |
ゴトゴト音 | エンジンマウントの劣化 | 小 |
ゴーゴー音 | ウォーターポンプの劣化 | 中 |
ボボボ音 | プラグ、イグニッションコイルの劣化 | 中 |
ジージー音 | エアコンガスの減少 | 小 |
足回りから音がする場合の原因と緊急性
原因 | 緊急性 | |
グググ音 | ブレーキパッドとディスクローターの摩擦音 | 無 |
キーキー音 | ブレーキパッドの摩耗 | 中 |
ゴーゴー音 | ベアリングの劣化 | 小 |
カラカラ音 | ドライブシャフトブーツが破れている | 小 |
トントン音 | タイヤの異常 | 小 |
室内から音がする場合の原因と緊急性
原因 | 緊急性 | |
ガラスからカタカタ音 | ゴムの劣化・異常 | 小 |
インパネ内からカタカタ音 | 配線の不備、異物混入 | 小 |
エアコンからバタバタ音 | 吸気口付近に異物混入 | 小 |
パネルからカタカタ音 | 接合部がしっかり付いていない | 小 |
それではここからそれぞれの音と原因に関して詳しくご説明していきます。
エンジンルームから音がする場合
エンジンルームは重要な部品が多くあり、もし変な音がする場合には早急に対処しないといけないものが多いです。
ある程度は音の感じでどこが悪くなっているのか判断できますので、鳴っている音別に原因を解説していきます。
キュルキュル音がする場合
主にエンジン始動時に「キュルキュル」だとか「キー」だとか大きな音がする場合はファンベルトかACベルトの緩みや摩耗が原因の可能性が高いです。
ベルトが緩んでいるかどうかは整備工場やカーショップなどで点検してもらうこともできます。
緩んでいるだけであればベルト調整、摩耗しているようであればベルト交換をする必要があり、調整の場合2,000円~3,000円、交換の場合は5,000円~10,000円の費用が必要になります。
音が出たまま放っておくとベルトが外れたり切れたりして、最悪の場合エンジンのオーバーヒートなど重大な故障を引き起こす原因になります。
ガラガラ音がする場合
エンジンを始動した後や、アイドリング中にエンジンから「ガラガラ」と音がする場合、エンジン内部の金属部品が摩擦している音の可能性が高いです。
こういった音が鳴るということは本来エンジン内部を満たしているはずのエンジンオイルがなんらかの原因で減少していることが考えられます。
そのままの状態にしておくと、エンジンが焼け付きを起こしたり、エンジン内部の金属部品が変形したりして走行できなくなる危険性が高いです。
早急にエンジンオイルを継ぎ足すか交換するなどの対処をするようにしましょう。
また国産車の場合、エンジンオイルはそう簡単に消費するものではありません。
交換時期をかなり過ぎてもエンジンオイルを交換していなかった場合などは別ですが、通常のサイクルでエンジンオイル交換を行っていても消費している場合は何か別の不具合が考えられます。
整備工場やカーショップなどで点検してもらうことをおすすめします。
ゴトゴト音がする場合
エンジンルームから「ゴトゴト」と音がして、振動が室内まで伝わってくる場合はエンジンマウントの劣化が考えられます。
エンジンマウントはエンジンと車体とが接する場所を保護し、振動を車内に伝えにくくするゴム製の部品です。
これが劣化してちぎれたりすると、エンジンの振動が車体に直に伝わりゴトゴトという音を発生させると共に振動が大きくなります。
通常エンジンマウントはどの車種でも複数あり、全てが劣化するということは考えにくいのである程度は放っておいても大丈夫ですが、こちらも早めの点検、修理をおすすめします。
ゴーゴー音がする場合
エンジンではないところから「ゴーゴー」と音がする場合、ウォーターポンプといわれる部品の劣化が考えられます。
ウォーターポンプはエンジンを冷やすための冷却水を循環させる装置なので、これが正常に作動しないとオーバーヒートを起こす可能性があり大変危険です。
常にゴーゴーと音を立てている状態であればだいぶ劣化が進んでいる可能性が高いので早めに交換を行うようにしましょう。
ウォーターポンプが劣化する初期症状としては、エンジンを切る際に「キュッ」という音が鳴ることがあげられます。
この音を注意して聞いて初期段階で修理を行えば修理費が安くすむこともあります。
ボボボ音がする場合
エンジン始動時やアイドリング時に「ボボ…ボボボ」と安定しない音が出る場合はプラグやイグニッションコイルの劣化が考えられます。
プラグやイグニッションコイルが劣化すると最悪の場合エンジンがかからなくなったり、アイドリングが不安定になりそのままエンジンが切れるなどの症状を起こすようになります。
こちらも早めの点検・交換をするようにしましょう。
ジージー音がする場合
エンジンを始動してアイドリング状態の時に断続的に「ジージー」という音がする場合、エアコンガスが少なくなっている、もしくは無くなっている可能性があります。
エアコンガスが少なくなるとクーラーの効きが悪くなるので、クーラーの効きが悪くなったらこのジージー音がしていないか確かめてみましょう。
また冬場はクーラーを使わないので効きが悪くなっているかどうかわかり辛いですが、このジージー音のことを知っておけば、夏暑くなる前にクーラーガスを補充するなどの対処が可能です。
クーラーが効かなくなるだけで走行に直接支障はないので緊急性は低いですが、エアコンガスの補充だけなら7,000円~8,000円でできますので、暑くなる前に対処しておきましょう。
またクーラーガスも通常急激に減少するものではないので、クーラーガスが減っていたということは、どこかから漏れている可能性が高いです。
余裕があればこちらも点検を行い、部品の交換をすることをおすすめします。
足回りから音がする場合
足回りはブレーキやタイヤなど走行に直接関係する部品が多くある箇所になります。
足回りから音がする場合も走行に重大な危険を及ぼす故障を引き起こす可能性があるので症状によっては早急な修理が必要になる場合があります。
グググ音がする場合
車を発進させる際にブレーキを離す時や、車を止める際にブレーキをかける時に「グググ」という音が鳴ることがあります。
これはブレーキパッドとディスクローターが擦れる時に出る音なので全く心配しなくて良い音です。
どうしても音が気になるという場合は整備工場やカーショップでブレーキの調整をしてもらえば、ある程度音が軽減されることもあるようです。
キーキー音がする場合
ブレーキから「キーキー」と音がする場合はブレーキパッドが摩耗していることが考えられます。
ブレーキパッドは消耗品でブレーキをかけるごとに摩耗をしていく部品ですが、一定量以上摩耗するとキーキーと音を出し、交換時期を知らせる構造になっています。
キーキー音がしはじめたということはブレーキパッドの残量がかなり少なくなっている証拠です。
そのまま乗り続けるとディスクローターにキズを付けたり、最悪の場合はブレーキが効かなくなる可能性がありますので早めにブレーキパッドの交換をしましょう。
ゴーゴー音がする場合
走行している時に足回りから「ゴーゴー」と音がする場合はハブベアリングの劣化が考えられます。
ハブベアリング自体は破損する可能性が低い部品なので、多少音がする程度であれば放っておいても大丈夫ですが、ゴーゴー音は徐々に大きくなっていくでしょう。
最終的にはまっすぐ走行できなくなるなど、かなり危険な症状が出る場合がありますので、こちらも余裕がある時に交換しておくようにしましょう。
カラカラ音がする場合
ハンドルを切って曲がる時などに「カラカラ」と音がする場合はドライブシャフトブーツが破れていたり、ドライブシャフト自体に不具合がある可能性があります。
ドライブシャフトブーツはエンジンの回転力をタイヤに伝える重要な部品になり、スムーズにタイヤへと回転を伝えるためにグリスを塗りカバーで保護されています。
このカバーのことをドライブシャフトブーツというのですが、剥き出しの部品になるため、飛び石などで傷つき破れてしまうことがあります。
このブーツが破れるとグリスが飛び散ってスムーズに動かなくなってしまうのでカラカラという音が鳴るようになるのです。
ブーツが破れた程度ではドライブシャフト自体に損傷がいくことは少ないですが、そのまま放っておくとドライブシャフトが折れる危険性があります。
そうなるとハンドルを切っても車が曲がらなくなる、タイヤが外れるなど危険な状態になるためこちらも早めに交換をおこないましょう。
トントン音
車を発進させると定期的にトントンと音がして、加速していくにつれてトントン音も早くなっていく場合はタイヤに何かしらの異常がある可能性が高いです。
タイヤの溝に大きな石が挟まっていたり、ホイールに異物が付いていないか確認してみましょう。
通常そこまで大きな石やホイールに付いた異物は走行していれば取れるとは思いますが、どうしても気になる時はタイヤやホイールをチェックして、異物があれば取り除きましょう。
室内から音がする場合
室内からする音で、すぐさま走行に支障が出るような不具合であることは稀です。
しかし、1番近くでなる音になるので気になる音ではありますよね。
ここでは室内で音がする場合の原因と対処法について説明します。
ガラスからカタカタ音がする場合
運転席や助手席、後部座席のガラスから「カタカタ」と音がする場合、ガラスを覆っているゴム部分が馴染んでいないか劣化、破損、汚れているなどの原因が考えられます。
新車を購入してすぐの場合、馴染んでいない可能性が高いですね。
この場合は使っているうちに自然と音が消えていくと思いますので心配はいりません。
汚れている場合はしっかりと清掃してやれば音が消えるでしょう。
清掃しても音が消えない場合は劣化や破損が考えられますのでゴムの部分を交換すれば音は消えるでしょう。
インパネ内からカタカタ音がする場合
インパネ内から「カタカタ」と音がする場合、ナビやオーディオなど電装品の配線がうまく固定できず車体やパネルに当たっていることが考えられます。
またナビなどの取付に使うネジが外れどこかに挟まっている可能性もありますので、できる方はご自分でインパネを開けて点検を、できない方は整備工場やカーショップなどで点検をすることをおすすめします。
エアコンからバタバタ音がする場合
エアコンを作動した時にバタバタと音がする場合、エアコンの吸気口付近に異物が混入している可能性があります。
エアコンの吸気口はグローブボックスの奥にある車種が多いので、グローブボックスに書類や袋などを入れている場合、それが奥に入りこみ吸気口付近をふさぐ形になっていることが多いです。
エアコンからバタバタ音がした時はグローブボックスを開けて奥に物が入りこんでいないか確認してみましょう。
パネルからカタカタ音がする場合
インパネやドアパネルからカタカタ音がする場合、パネルの接合部がうまくはまっていない可能性があります。
カタカタと音がする箇所をぐっと押し込んでみると音が止まることがあるので試してみてください。
それでも音が止まらない場合、パネル内にネジなどの異物が入りこんでいる可能性があります。
開けられる方は開けて点検を、開けられない方は整備工場やカーショップなどで点検をしましょう。
その他室内からする音について
室内からする音については様々あるので、よくあるケースをまとめてみます。
- オンダッシュのポータブルナビがフロントガラスに当たる音
- シートベルトの金具が当たる音
- 空き缶やペットボトルが転がる音
- バックミラーなどにぶら下げているお守りやキーホルダーが当たる音
いずれも走行には全く支障がなく、少し位置を変えたり取り除いたりすれば止まる音になりますので、慌てずに音の原因を特定しましょう。
車から変な音がする場合はしっかり点検をしよう
本記事では車の発進時や走行時に変な音がする場合の原因について解説していきました。
- エンジンから変な音がする場合は早急に修理が必要な場合が多い
- 足回りから変な音がする場合も修理が必要な場合が多い
- 室内から変な音がする場合は走行に支障があるものは少ない
- 変な音の点検はプロに任せるのが安心
エンジンや足回りから変な音がする場合、走行に支障がある重大な部品の不具合である可能性もありますので、すぐに点検し、必要であれば修理するようにしましょう。
逆に室内の変な音は簡単に直るものも多いですし、すぐに走行に支障があるものは少ないので慌てずに自分でできるところは点検するようにしましょう。
もしあなたの車から変な音がした時は、是非とも本記事を参考にしてみてください。