本記事ではオイル交換した際に出てくる古いオイルの廃棄の仕方についてご紹介いたします。
また合わせてオイル交換時の手順も合わせてご紹介いたしますので、ぜひ最後までお読みください。
エンジンオイルの廃棄方法
エンジンオイルの処分表
廃油となったエンジンオイルを一般家庭内で処理すると言うのは無理がありますので、その処分方法としては処理してくれる場所へ持ち込んで廃棄処分するということになります。
しかし、そのエンジンオイルの保管状態によっては受け入れ不可となる場合もあり、そうなってしまうと処理する方法がないゴミが残ってしまうという状態になりかねません。
住んでいる自治体によって処分方法は異なりますが、おおむね以下の様な形で回収および処分が行われています。
自治体の処理施設 | 廃油回収業者 | ガソリンスタンド | 整備工場 | |
廃棄物としての扱い | 可燃ごみ | 産業廃棄物 | 産業廃棄物 | 産業廃棄物 |
回収時の取り扱い | 凝固剤などで固め、漏れが無い事 | 容器にて保管し、液体で持ち込むのが一般的 | 委託している廃油回収業者の扱いに準ずる | 委託している廃油回収業者の扱いに準ずる |
備考 | 自治体によっては廃油の処理を受け付けていない場合もある | 廃油の受け入れ可否は店舗によって異なる | 廃油の受け入れ可否は店舗によって異なる |
それぞれ受け入れてくれる場所によって対応が異なっており、回収の際に費用などにも違いがあります。
エンジンオイルの廃棄に関しては事前の下調べを行い、スムーズに処理できるようにしたいものです。
可燃ごみとして処分する場合
食用油同様にゴミ袋に入れて可燃ごみとして処分する場合で、自治体の処理施設においてエンジンオイルが受け入れ可能というのであれば利用可能です。
処理施設に可燃ゴミとして受け入れてもらえる場合は、凝固剤や新聞紙・布などを使用して固体の状態にするように指定される場合がほとんどです。
凝固剤が中に梱包された廃油処理箱が市販されていますので、これを廃油受けとして使えば汚れも少なく処理する事ができます。
産業廃棄物として処分する場合
自治体の処理施設での受け入れができないと言う場合は、エンジンオイルは一般の可燃ごみではなく産業廃棄物扱いです。
その地域ではエンジンオイルの処理は廃油回収業者が専門で行っているということになります。
廃油回収業者の多くは液体状態での廃油で回収を行っていますので、この場合は凝固剤などで固めるのは避けて缶などに入れ液体の状態で保管して持ち込みます。
エンジンオイル交換を実施している店舗に持ち込む
廃油回収業者に直接持ち込まなくても、業務委託をしている店舗を経由して廃油の処理を依頼する方法もあります。
つまりエンジンオイルの交換を行っているガソリンスタンドや整備工場に廃油となったエンジンオイルを持ち込み処分してもらう方法で、この場合も最終的には廃油回収業者の手に渡りますので、エンジンオイルは液体の状態で持ち込むことになります。
こぼしてしまったオイルはどうする?
何かしらの理由でオイルが床などにこぼしてしまった場合、そのオイルをどの様にして吸着させたかによって変わります。
ペーパータオルやおがくずなら可燃ごみとなり、珪藻土の様な砂や土の場合は産業廃棄物となります。
砂や土に吸着させた場合は同じ産業廃棄物でも取り扱っている業者は異なり、廃油として処分を依頼することはできなくなります。
余分なゴミを出すことなくオイルを受け止められれば良いのですが、万が一こぼしてしまった場合の後処理に関しても下調べをしておいたほうが良いでしょう。
集められた廃油はどうなる?
廃油となったエンジンオイルですが、これらは使い道が無いわけではありません。
適切な処理をする事で再利用する事が可能です。
リサイクルオイルの原料に
廃油となったエンジンオイルはスラッジなどの不純物が含まれていますが、これを遠心分離機やフィルターを通す事でリサイクルオイルとして再生することが可能。
リサイクルされたオイルは再び潤滑油として市場に出回る事になります。
燃料として使用する
リサイクルオイルにするためには複雑な工程が必要で、その分のコストもかかります。
もっとも簡単な廃油の利用方法としては燃やしてしまう事で、廃油ストーブなどの燃料として使われています。
可燃ごみとして固められた廃油に関しても、焼却施設はその熱を利用して発電などを行っていますので、この場合も燃料の位置づけになります。
オイル交換の手順
エンジンオイルの交換は比較的容易な部類の整備で、ユーザーご自身で行ってるというケースもあります。
特にサーキットなどの競技走行では1日の走行終了=オイル交換のタイミングとなり、その頻度の高さもあって自らオイル交換を手がけるのは珍しくありません。
最後に廃油として処分する事も考慮したうえで、エンジンオイルの交換作業を確認したいと思います。
オイルフィラーキャップとレベルゲージを外す
エンジンオイルを抜く際にはいきなりドレーンボルトは外さず、必ずエンジン上部にあるオイルフィラーキャップとレベルゲージを外します。
これはオイルを抜いた後からオイルフィラーキャップが外れないとなると、エンジンオイルを補給できず、車が走行不可となってしまう事を避けるための手順です。
レベルゲージの挿入部からオイルを入れるという方法もありますので、念のためレベルゲージも外しておきます。
ドレーンボルトを外す
オイルフィラーキャップなどを外してからドレーンボルトを外す工程に入ります。
必要に応じてジャッキアップなどを行うわけですが、必ず車体が水平の状態でドレーンボルトを外し、オイルパン内に余分なオイルが残らないようにします。
このとき排出される廃油の受け止め方によってその後の処分方法が変わりますので、事前に処分方法は確認しておきましょう。
処分方法が把握できないというのであれば、ひとまずは液体の状態で保管できるようにし、必要に応じて凝固剤などを使用していけばいいでしょう。
エンジンオイルを注ぐ
パッキンなどを交換しドレーンボルトを締め付けた後、新しいエンジンオイルを注ぎます。
注ぐ量はエンジン内部のステッカーやサービスマニュアルにて確認する事ができます。
最後にエンジンを始動してエンジンオイルを循環させ、エンジン停止後5分後のオイル量をレベルゲージで確認。
以上でオイル交換作業は終了となります。