本記事では走行税がいつから導入されるのかを詳しく分析していきます。
また、導入された際のメリット・デメリットをわかりやすく解説していきますので、是非とも最後までお読みください。
走行税の導入は今のところ未定
走行税は2019年度から検討、議論を開始することが決まった段階で、まだ導入が決まったわけではありません。
議論の結果、導入を見送ることになる可能性もあります。
政府は走行税に関して『中長期的課題』として位置付けており数年をかけて議論が行いますので、仮に導入が決まるにしても、数年後の話しになりそうです。
走行税のメリット・デメリット
それでは走行税が導入されることでどのようなメリット・デメリットが予想されるかをまとめてみましょう。
まずはわかりやすく表にまとめてみましたので、こちらをご覧ください。
走行税導入でのメリット・デメリット
メリット | デメリット | |
国 | ・新たな税収が期待できる | ・景気後退 |
国民 | ・あまり車に乗らない人は税金が安くなるかも
・渋滞が減る |
・支払う税金が増える
・地方在住者がより損をする ・物価が上がる ・個人情報漏洩やプライバシー侵害の危険性 |
このように国民にとってはほとんどメリットが無いにも関わらず大きなデメリットがあることがわかります。
また国にとっても税収が増えるというメリットはありますが、景気を大きく後退させる危険性をはらんでいるのであまり現実的な策とは言えないような気がします。
国民にとっての走行税のメリット
それではここから我々国民にとっての走行税のメリットに焦点をあてて詳しく解説していきましょう。
あまり車に乗らない人は税金が安くなる可能性がある
そもそも走行税は、車の燃費向上やハイブリッド車・電気自動車の台頭で自動車関連の税収が減少するとの予想から導入が検討されている税金です。
そのためもしも走行税が導入されるのならば、現行の自動車税、取得税、重量税、ガソリン税などは減税、もしくは撤廃される流れになると予想されます。
そうなると車を所有しているだけで、あまり走行しない人にとっては1台の自動車に支払う税金はトータルで安くなることになるでしょう。
しかしこれはあくまでも現行の自動車関連税が減税や撤廃をされたと仮定しての話しなので、そうならなかった場合は走行税の導入で税金が安くなる国民は皆無になります。
渋滞が減る
もしも走行税が導入されると、本当に必要な時以外に車を使う人がかなり減るでしょう。
車を使えば使うだけ税金が増えていくので当然といえば当然ですよね。
そうなると公道を走る車の総数は今よりもずっと少なくなることが予想されます。
そのため渋滞は今よりも減るでしょう。
国民にとっての走行税のデメリット
それでは走行税が導入されると国民にどんなデメリットがあるのかを詳しく解説していきます。
- 支払う税金が増える
- 地方在住者がより損をする
- 物価が上がる
- 個人情報漏洩やプライバシー侵害の危険性がある
支払う税金が増える
シンプルに支払う税金が増えます。
ただでさえ自動車は所有しているだけで取得税、重量税、自動車税、更に使用するにはガソリン税と、とにかく多くの税金がかかります。
それに加えて走行税が導入されれば、また自動車に対して支払わなければならない税金が増えてしまいます。
地方在住者がより損をする
公共交通機関の発達していない地方では通勤などの移動にどうしても車が必要になります。
そのため地方在住者の車の走行距離は都会に在住している方に比べて増えざるを得ません。
そこに走行税が導入されると、長い距離を走行せざるを得ない地方在住者がより多くの税負担を強いられることになり、損をすることになってしまいます。
基本的に税は公平でなくてはならないのですが、地方在住者がより多くの負担を強いられる走行税が果たして公平なのかは微妙なところですね。
物価が上がる
走行税の導入で1番打撃を受けるのが交通業界や輸送業界でしょう。
もしもこれらの業界の税負担が著しく増えるようであれば、それはサービス価格や物価の上昇という形で跳ね返ってくるでしょう。
具体的に言えばバスやタクシーの運賃の値上げ、そしてほとんど全ての商品の値上げ、これらは避けられないのではないでしょうか。
個人情報漏洩やプライバシー侵害の危険性がある
そもそも走行税を導入するとして、誰がどのくらいの距離を走ったかをどう判断するのでしょうか。
これは先に走行税を導入しているニュージーランドの例を見ればわかります。
ニュージーランドでは走行の情報をGPSを用いて管理をしているようです。
これは自分の走行状況を常に監視されている状態といえ、あまりいい気はしませんよね。
またそうやって収集された情報が万が一漏洩すると、悪用される危険性もあります。
走行税に対する世間の反応
走行税導入を検討するというニュースが流れてから、世間でも走行税に対する反応が大きくなってきています。
ここでは走行税導入に対する世間の反応を見てみましょう。
自動車走行税なんてもの創ったら本格的に物流が死ぬな。もちろん関連が深い業種も死ぬ。稀代の悪法になるな。ふーん、そうか。これが…「野党よりマシ」なのかあ。
ド田舎だからちょっと買い物しただけで100キロ越えるんだけど、走行税なんか適用されたら仕事にも行けない。
走行税やめて〜。地方人にはしんどすぎるんですが。。。死活問題
増税に走行税… いよいよ、若者の貧困が更に深刻になるな…
走行税〜〜〜〜〜 車使ってる人は裕福だと思ってるのかな? ないと生活できないんだよ〜。 車の購入と維持だけでも負担大きいのに〜。
走行税はホントにヤバい。 車持ってないなら関係ないじゃない。 物流にもダイレクトアタックするから、生活に必要な物全て値上がりするよ。
走行税導入は、自家用車しか移動手段がない地方では死活問題。 ありえない。
走行税とか鬼畜の所業…マジで地方のことなんだと思ってるんだ、だいじょうぶかこの国…
このようにほとんどが反対意見ばかりです。
中でも地方在住者への負担が増えることに対して不満を持っている意見が多く見られますね。
現状のままで導入してしまうと大変な問題になるのは目に見えています。
仮に導入するとしても、国民の理解を得られるしっかりとした法整備を期待したいですね。
世間の反感を買っても走行税が導入される可能性はある
走行税は、国民にとってほとんどメリットが無いにも関わらずデメリットが多いため、世間でも反感の声がかなり大きいです。
世間の反感を買うのは政府にとってかなりの痛手ですし、導入は見送られるのではと思う方も多いでしょう。
しかしこれだけ反感を買いながらも導入される可能性は大いにあります。
ここでは何故、国民の反感を買う走行税が導入される可能性があるのかを解説していきます。
海外での導入事例がある
実は海外ではスイス、ニュージーランド、ドイツ、ベルギーなど既に走行税や走行に応じた料金制度を設けている国があります。
またハイブリッド車や電気自動車の普及により、世界的にも走行税を導入する流れは年々大きくなってきています。
こういった海外での導入事例を盾に走行税が導入の方向で検討される可能性は決して低くはありません。
ただし海外では自動車の保有にかかる税金が日本より遥かに安いことも忘れてはいけません。
今の日本の高すぎる保有税に加えて、走行税まで加算されることになれば大変なことになるのは火を見るよりも明らかですね。
そのあたりの税負担がどうなっていくのかは注視する必要がありそうです。
消費税も上がった
あれだけ国民の反感を買っていたにも関わらず、消費税も増税されることになってしまいました。
景気が伸び悩み、可処分所得が年々減り、消費が冷え込んでいる中での消費増税です。
とても民意が反映されているとは思えないですし、明らかに景気を後退させ国力を弱めるタイミングでの増税であり、国にとってもデメリットの方が大きいのではないかとさえ思います。
でも事実として消費増税は行われました。
走行税もこうならないとは言えないですよね。
野党が弱い
そもそも何故、民意が反映されない増税が繰り返されるのかを考えると、今の野党が弱すぎるのが大きな要因なのではないでしょうか。
もしも強い野党がいれば、民意が反映されていないどころか、国民を締め付けて消費を後退させてしまう増税に待ったをかけることができます。
走行税は数年にわたって議論される予定です。
もしも数年で野党が力を取り戻せなければ、例え国民の反感を買っていようが走行税の導入が強行されることも大いにあり得るでしょう。
走行税は国民にとってメリットは少ないが、導入される可能性がある
本記事では走行税導入の時期や、走行税のメリット・デメリットに関して解説していきました。
- 走行税が導入されるかは、まだ未定
- 導入される可能性は大いにある
- 導入されるとメリットは少ないがデメリットが多すぎる
- 走行税は多くの国民の反感を買っている
消費増税に次いで走行税導入の検討とあっては国民の怒りを買うのも当然です。
特に走行税は現在収入が増え辛いとされる地方在住者がより多くの負担を強いられる税となり、弱者から税を毟り取っているようなイメージもあります。
国を健全に運営していくには税収が必要だということはわかります。
ただし、走行税のような税収の得かたをしていると国を衰弱させていくのは目に見えています。
もし走行税を導入するにしても、自動車税や重量税などの所有税を減税する、もしくは国民全体の収入を増やすような政策を考案するなど、国民が納得するような整備が必要でしょう。