本記事では、轍(わだち)とは何かについてご紹介します。
また、轍(わだち)の適切な走り方や脱出方法についてもご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。
轍(わだち)とは何か、なぜ起こるのか
轍(わだち)とは、車輪が通った後に出来る溝のことを意味します。
固い舗装だと溝が出来ることは少なくなりますが、舗装のされていない柔らかい土や雪などは轍(わだち)が出来やすく、車両の重さで潰れた部分が溝になってしまう状態です。
また、固い舗装だと溝が出来にくいのは確かですが、普段目にする道路は綺麗な平面ではないと思います。
舗装をされていても何トンもある大型車が毎回同じラインを踏み続ければ、やはり多少なりとも轍(わだち)は出来てしまいます。
日本で、一番よく使用されている舗装はアスファルトですが、真夏など炎天下で熱をもったアスファルトは変形しやすい状態となっています。
轍(わだち)の危険性
夏でもアスファルトに轍(わだち)が出来てしまうと急にハンドルが取られるという予期せぬ事態が起こります。また、バイクであれば急に車体が傾きバランスが崩れることで転倒するという事態も十分に考えられます。
特に、冬の北海道では轍(わだち)溝の深さが10~15㎝ということも多々あります。
走行中にもし、ハンドルが取られて対向車線に向かってしまうと慌ててハンドルを戻してもそのまま対向車線に滑り込むという恐ろしい状態が起きてしまいます。
急にハンドルが取られたり、意図せぬタイミングで轍(わだち)に落ちるといった状況下では、瞬時に対応することが出来なくなってしまいますので、スピンや制御不能な事態を避けるためにも注意が必要です。
轍(わだち)の適切な走り方
まず、大前提として轍(わだち)に沿って走ることが大切です。
凹凸の凹部分に車輪をはめ込むことにより、敷かれた線路を走るイメージでまっすぐ走行することが可能です。
反対に、凸部分に車輪を乗せていると急にハンドルが取られる事態となります。
また、轍(わだち)が出来た際の自動車のサイズにより轍(わだち)の幅も変わってきます。
乗用車のタイヤ幅で出来た溝に対して、軽自動車で車輪をはめ込もうとしても両方には届きません。両方は届かなくても片側だけでもはめ込むと安心です。
基本的には轍(わだち)があれば沿って走るのが普通ですが、全ての状況で必ずしも轍(わだち)にタイヤをはめ込んで走行するのが正しいとは限りません。
轍(わだち)の状態をしっかりと見極め、安全に走行できる場所を見つけることが一番となります。
轍(わだち)を上手に走るコツ
- 轍(わだち)にタイヤをはめ込んで走行する(例外あり)
- 車の挙動を感じるためハンドルを強く握りすぎない
- ハンドルを取られても慌てずほんの少しだけ戻す
特に、雪道を走り慣れていないドライバーさんはハンドルを取られた際に、びっくりして反対に大きく切ってしまう傾向があると思います。逆効果となりスピンを引き起こすため、雪道では絶対に急ハンドルを切ってはいけません。
雪道を運転する上で、急ハンドルや急発進・急ブレーキなど大きい動作は事故のもとになるため、大きい動作は避ける必要があります。あくまで車両が少し傾いたとしても少しハンドルを戻すだけで十分です。
轍(わだち)に入らない方が良い時もある
基本的には、轍(わだち)の中に入っていた方が急にハンドルを取られる心配も少なくなりますが、容易に脱出できない場合は最初から轍(わだち)に入らないようにする判断力も必要です。
また、轍(わだち)はタイヤをはめ込んで走行することでスピードを出しても安全という事ではありませんので、あくまでもゆっくりと非常事態に備えながら運転することが大切です。
- あまりに溝が深すぎる場合
- 溝がアイスバーンになっている場合
- 自分の履いているタイヤが古い場合
どんな時も、予想外のことが起こりうるという気持ちをもち、常に緊張感を絶やさないことが大切です。雪道では、特に急ぐ気持ちが事故に繋がりますので、時間に余裕をもって行動するように心がけましょう。
轍(わだち)の脱出方法パターン別
走行時の自然な轍(わだち)からの抜け出し方から、入るべきではなかった轍(わだち)に入ってしまった場合の脱出方法までパターン別にご紹介します。
共通して言えることは、無理をしないことが重要です。
溝が深すぎず、固まった雪質の場合(走行中)
走行中に一番体験するベターな轍(わだち)になります。ハンドルを切る量・アクセルの踏み方ともに、ほんの少しだけ強めるだけで十分です。勢いよく踏み込んで乗り上げる必要はないので、「ほんの少しだけ」を意識すると安全に抜け出ることが可能です。
溝が深い場合(走行中)
溝が浅い場所まで走行を続け、安全な場所で抜けるのが理想的です。
溝が浅い場所が見つからない場合は、45°程ハンドルを切って強めにアクセルを踏み、乗り上げた瞬間にハンドルを戻すことで脱出は可能となりますが、危険なのであまりおすすめはできません。
アイスバーンの場合(走行中)
日中の気温が少し高い時によくある、氷の表面が溶けている場合もあります。脱出が難しく危険度が高いため、轍(わだち)に入らないことが基本となります。
もし入ってしまった場合には、軽くハンドルを切り片側の壁を登り、滑り落ちてきたタイミングで反対に軽くハンドルを切るといったように、左右にゆっくり振りながら脱出することは可能となりますが、非常に危険です。
轍(わだち)を走りやすい自動車
いくら運転に気を付けていても、やはり「轍(わだち)は苦手」という方は少なくないでしょう。
少しでも楽に雪道を運転できる自動車のポイントをご紹介します。
- 2WDよりも4WD(四輪駆動の方が滑りにくい)
- 国産スタッドレスタイヤ(製造年数が新しく柔らかいほど効きが良い)
- 軽自動車よりも普通自動車(安定して走りやすい)
轍(わだち)とは何か、適切な走り方や脱出方法まとめ
轍(わだち)の危険性をよく理解し、事前に予測できるトラブルを回避することが重要となります。
事故を起こさないためには、常に危険を予測しながら運転することが重要となってきます。
轍(わだち)を見つけたら、容易に抜けることが出来るかどうか判断をして中に入るかを決める必要があります。
必ずしも、轍(わだち)の中に入っていれば安全というわけではないので、注意が必要です。
雪道を必要以上に怖がらないためにも、タイヤは効きの良いタイヤを選びたいですね。