今回の記事ではユーザー車検の流れについて、詳しく解説していきます。
専門知識があれば車検を安く済ませられるユーザー車検。準備するものや当日の流れ、不合格の場合の対処法をご紹介しています。ぜひ最後までお読みください。
ユーザー車検の流れ【準備編】
普段から愛車のメンテナンスをきちんとしている。もともと車に興味があって専門的な知識も有している。
こんな方におすすめになる車検が「ユーザー車検」。今までは業者に任せていたけれど車好きが高じて、車検も自身でしてみたいと考えられる方もおられるでしょう。
実際のところ、整備に関する資格を持っているのならユーザー車検ほどお得に済ませられる車検はありません。
今回初めて、またはいつか自分で車検をしたいと考える方のために、まずは車検当日までの準備を見ていきましょう。
車検当日までに点検整備を
昨今ネット上でよく見かけるユーザー車検。車検の中でも一番お得に済ませられる車検として、気になっていた方も多いのではないでしょうか。
ユーザー車検をスムーズに済ませるためには、事前の点検整備が必須です。そもそもユーザー車検とは、業者ではなく自分で車検場に車を持ち込み、保安上決められている検査に合格させるもの。
したがって車検を受ける前に、合格できるよう点検整備をしておかなければいけません。この、事前の点検整備が必要になるからこそ、車の知識を持った方でなければユーザー車検をおすすめできないのですね。
陸運局へ車検の予約を入れたら、車検当日までに愛車のメンテナンスを兼ねて点検整備をしておきましょう。
必要書類をそろえる
車検を通すまでにはさまざまな書類を提出する必要があります。車検場についてから必要な書類がない!なんてことにならないよう、事前に準備をしておきましょう。
- 自動車検査証
- 自賠責保険証
- 自動車税納税証明書
- 自動車検査票
- 重量税納付書
- 継続検査申請書
- 認印
自動車検査票以下においては、陸運局内で購入、または税金納付後に渡される書類。事前に用意するものと分けて考えてくださいね。また、認印は必要ないとされる場合もありますが、用意しておいた方が無難なものとして挙げてあります。
車検の流れ【当日編】
上記では車検当日までに用意すべきものを紹介してきました。ここからはいよいよ、車検場における当日の流れを解説していきます。
場合によっては1日仕事となる事もあるので、余裕がある時に予約を入れておくようにしましょう。
予備検査場で最終調整
必須ではありませんが、初めてのユーザー車検の場合におすすめしたいのが予備検査場での最終調整。陸運局に行く前に、予備検査場で車検前の最後の点検整備をしておきましょう。
実際に車検が始まった後から不合格を出すよりも、最終点検で不備を見つけておいた方が後々スムーズに進みます。もちろん万全の点検整備ができているのなら、飛ばしても大丈夫な工程ですよ。
書類の入手、作成して必要書類をそろえる
陸運居についた後は、まず書類の入手、作成から始めます。事前に用意しておいた車検証、自賠責保険証、自動車税納付証明書以外の陸運局内でそろえるべき書類ですね。
この際に必要書類とともに「印紙」の購入も同時に行います。初めてのユーザー車検の場合、どこに何があるのかわからないことも多いと思うので、不安な場合は総合受付で尋ねてみましょう。
基本的に業者が総合受付に聞くことは少ないので、丁寧に教えてくれますよ。
書類をすべて入手したら、陸運局内で書類に記入をしていきます。役場で証明書をもらう時のように、用紙ごとに記入例が設けられているのでさほど苦労はしないはずです。
車検証と見比べながら記入。もしもわからない点がある場合は空白のままでOK。受付窓口に提出する際に、不備の部分を教えてもらいましょう。
重量税などの納税、納税確認
ひとまず書類への記入が終わった後は、陸運局内に併設されている自動車税事務所で納税確認を行います。
重量税の納付は書類と印紙を購入した段階で払われているので、自動車税納付書と一緒に確認のためのハンコを押してもらうだけ。窓口にて提示すれば、確認の後にハンコを押してくれますよ。
書類一式の提出
継続検査窓口にて、用意できた書類一式を提出します。この際に、上記で軽く触れた未記入の場所についても、丁寧に教えてくれるでしょう。
書類に不備がなければ、受付印を押されて受付完了。ユーザー車検の書類関係の手続きはこれで終了です。
検査コースにて受検
ここからは実際に車検を受ける車に乗って検査コースを回っていきます。検査ライン内ではそれぞれの点検項目ごとにスタッフがいるので、スタッフの言葉に従って検査を受けていきましょう。
検査コースの検査項目
同一性の確認 | 車検証などと車検を受ける車が同じものかどうかの確認 |
外回り検査 | 自動車の外観(ボディ、灯火類)検査 |
サイドスリップ検査 | 直進安定性(前輪の横滑りがないか)の検査 |
ブレーキ検査 | 前、後輪、駐車ブレーキの制動力確認 |
スピードメーター検査 | メーターと実際のスピードの誤差を検査 |
ヘッドライト検査 | ヘッドライトの光量、光軸が基準値内かの検査 |
排気ガス検査 | 排出されるガスの一酸化炭素と炭化水素の濃度確認 |
下回り検査 | 車両下部の不具合検査(舵取り、オイル漏れなど) |
ざっくりと紹介しましたが、それぞれの検査項目は細かく分かれています。専門の器具の上に車を乗せたりする場面もあるので、スタッフの言葉をよく聞いて従いましょう。
車検証の交付
全ての検査項目が合格だった場合、車検合格となり期限が延ばされた車検証と有効期限を示すステッカーが交付されます。
また次の車検の際に必要となるので、大切に保管しておきましょう。これにてユーザー車検の完了です。
車検に落ちてしまった場合は?
上記まではスムーズに車検に合格できた場合。しかし実際には車検に不合格となってしまう場合もありますよね。
実は1回の申請により車検場への入場は3回まで許されています。したがって、検査コース内で不合格を言い渡された場合は、予備検査場などで不合格部分の再整備を行いましょう。
3回までの間に車検に合格すればそれでOKとなっています。
ただ、不合格を言い渡された場所がすぐには整備できない場合もありますよね。この場合は2週間以内に再び車検を受けられるか否かによって対応が変わってきます。
車検に不合格だった場合の対応
2週間以内に再度車検場に来れる場合 | 2週間以降になる場合 |
限定自動車検査証を発行してもらう。
発行してもらうことによって、次回車検を受ける際に不合格部分だけの検査でOKとなります。 2週間以内に不合格部分の整備を行い、改めて検査コースを受けていきましょう。 |
原則最初から車検を受けなおすことに。 |
限定自動車検査証は無料で発行してもらえます。もしも1日の間に整備ができない、時間が足りないとなった時はとりあえず発行してもらっておくことをおすすめします。
軽自動車のユーザー車検は軽自動車検査協会で
ここまでは普通自動車のユーザー車検に関して紹介してきました。しかし、昨今では軽自動車の人気も非常に高くなっていますよね。
したがって、軽自動車のユーザー車検をしたいと考える方も多いでしょう。ここでポイントとなるのが、軽自動車のユーザー車検は陸運局では行っていない点。
基本的に陸運局で扱われている車は、普通車以上となり、税金関係においても軽自動車とは分けて考えられています。軽自動車ユーザーがユーザー車検をするのなら「軽自動車検査協会」に問い合わせてみましょう。
あまりなじみのない名称ですが、都道府県内に必ず1つはある協会です。最寄りの軽自動車検査協会にて、ユーザー車検を行っていきましょう。
手続き、検査コース内容に関しては上記まで紹介してきたものとほぼ同じです。
ユーザー車検に自信がないなら、一括見積サイトを活用しよう
思っていたよりもユーザー車検は面倒くさい…。なんて感じてしまった方も多いのではないでしょうか?
実際問題、車に関する知識や腕がなければ、車検に一発合格するのはなかなか難しいものだと感じます。何より、1日時間を費やして不合格といわれてしまえば、やる気もなくなってしまいそうですよね。
なので、ユーザー車検は難しそうだと感じるのなら、無理に受けようとする必要はないでしょう。車検をなるべく安く済ませたいと考えるのなら、車検の一括見積サイトを活用することもできます。
さまざまな業者が一斉に車検見積りを出してくれるので、一目で一番安い車検を見つけることも可能。費用のことを考えたとしても、ユーザー車検だけがベストとは限りません。自身での点検整備を考えれば、むしろ費用が掛かってしまう恐れさえあります。
少しでも自信がないと感じるのなら、一括見積を活用して、安く気軽な車検を実現しましょう。
ユーザー車検の流れ解説まとめ
今回はユーザー車検の流れに関して、少し詳しく紹介してきました。
- 事前に自身で点検整備を
- 必要書類をそろえておく
- 当日は陸運局、検査コースのスタッフに指示を乞うことも
- 不合格だった場合は3回まで受けなおすことが可能
- 後日改めて受ける場合は限定自動車検査証をもらう
- 軽自動車のユーザー車検は軽自動車検査協会で
- 自信がないなら一括見積を活用
以上のようになりました。
ユーザー車検は費用を抑えて車検を受けたい方にピッタリな方法です。しかし、自身で点検整備をする必要がある以上、一定以上の車に関する知識が不可欠になることも事実。
費用だけに目を向けていても、車の安全性は向上できませんよね。
もちろん車が大好きでユーザー車検を今年こそ受けたい!と考えている方はまた別問題。少しでも不安があるのなら、ユーザー車検にこだわることはやめておきましょう。費用面を安く抑えたいだけなら、車検の一括見積がおすすめですよ。